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住友金属テクノロジー株式会社 鹿島事業部技術室 酸化ホウ素粒度および溶解度測定結果
酸化ホウ素粒度および溶解度測定結果

1.供試材

  • 酸化ホウ素:800℃以上の高温で燃焼させた無水酸化ホウ素
  • 液 体:エステル系コンプレッサーオイル

2.調査方法

(1).粒度分布測定

測定装置:島津SALD-3000S
溶  剤:ヘキサン

(2)コンプレサーオイル中のB分析
1.酸化ホウ素500gを30mlのオイルに投入
2.混入した溶液を激しく攪拌し、その後10日放置
3.溶液の上澄を採取し、有機用メンブランフィルターで強制ろ過
  (ろ過は、3μmおよぴ1μmフィルターを使用)
4.原子吸光光度法にて溶液中のBを分析

3.分析椿果

(1)粒度分布測定結果
   測定結果を図1~2,表1に示す
表1 酸化ホウ素粒度分布測定結果(単位:%)
粒径mum +250 ~200 ~150 ~100 ~75 ~50 ~30 ~20 ~10 -10
0 0.1 0.3 7.2 18.8 40.9 22.9 6.3 2.2 0.3
*平均粒径:57.5mum
(2)溶解度測定結果
  分析結果は、表2の通りである。
  オイル溶液を分析した結果、微量ではあるが、上澄み液およびろ過溶液中にBが含まれる。
表2 オイル中のB分析結果
酸化ホウ素溶解オイル中のB分析値
B分析値
B2O3換算量
オイル原液のB分析値g/g=PPm
上澄み液
60
0.0191
0
3mumフィルター
53
0.0169
0
1mumフィルター
40
0.0127
0

4.確認調査

酸化ホウ素を混入したオイル中にBが検出されたので、その存在形態を確認する
ため、次の調査を行った。

(A)酸化ホウ素溶解オイル中の微粒子の測定

オイル中にBの存在が確認されたので、微小な粒子の混入がないかの確認調査を行った。
測定法:酸化ホウ素粒度測定と同一方法で測定(検出可能最小径0.08m)
結 果:粒子測定機の検出能の範囲内では、微粒子は検出されない。
使用溶媒:ヘキサン

(B)オイル中の水分分析結果

オイル中のBがオイル中の水分に溶解していることも考えられるので、オイル中の水分を分析し、
オイル中の水分に溶解しているBを推定した。
オイル中の水分分析結果:水分157ppm
オイル中の水分に溶解するB量:157pp皿×1.1/100=1.7ppm
(酸化ホウ素の溶解度:1.1g/100g水(0℃)---理化学辞典)
この量は、オイル中で分析されたB量から見ると極少ない。(1.7<<40~60ppm)

(C)B2O3粒子のSEM観察結果

B2O3粒子をSEM観察した結果を写真1に示す.SEM観察結果からB2O3粒子は、径数十mであるが、
表面は微細な凹凸があるようにみえる。
以上の結果、B2O3を混入したオイルのオイルから得られたB分析結果は、B2O3オイル中にわずかに
溶解するが、微細B2O3粒子がわずかに浮遊していると考えられるがその存在形態は不明である.

5.まとめ

酸化ホウ素の粒度測定およびエステル系コンプレサーオイルヘの溶解度を調査した結果をまとめると
次の通りである。
 
  1. 酸化ホウ素の粒度は平均径57・5 mで径10m以下は0.3%と非常に少ない。
  2. 酸化ホウ素をオイルと混合した場合、上澄み液から、40~60ppmのBが検出された。このBは溶解によるものか、懸濁によるものかは判然としない。なお、オイル中の水分に溶解したB量は、非常に少ないと推定される。
 
試験
試験
[参考]

1.自動車用ブレーキフルード

ブレーキフルードのDOT4,DOT5には溶剤としてホウ酸エステル類が粘度調整,沸点調整,ゴムの膨潤性確保などの目的のため混合されている。
DOT4オイル中のB分析結果:4100ppm(当社で分析)(=4100g/g=0.41%)
B2O3量換算=(0.41%×(70/22))=1.3%

2.B2O3のエステル溶解度文献調査

文献など調査したが、溶解度は示されていない.また エステル溶液の溶解に関する記述はない。
(溶解するとも、溶解しないとも書いてない。〉
[文献調査内容〕(酸化ホウ素の溶解に関する記述)
 吸湿性がある.溶解度は1.1g/100g水、酸,アルカリ,エチレングリコールなどに可溶。
〈理化学辞典)
 水に徐々に溶けて、ホウ酸となり、エチルアルコールまたはグリセリンに溶ける。
(14100の化学商品)
 水と徐々に反応しホウ酸を生じる.湿った空気の存在下で金属を侵す。
(ICSC国際化学物質安全性カード)
 ホウ酸は、水に可溶3.99g/100g(20℃)

3.今回の調査結果から、B成分が分析されているが、仮に溶解していると仮定しても、微量であるため

 オイルの物性変化
 オイルのコンプレッサーなどの機械類への影響
 などは、どのような試験をしても差が出ないと考えられる。

4.自動車ブレーキフルードでも

ホウ酸エステル類が使用されていることをみるとオイルの性状変化、腐食性など問題ないものと考えられる。(ブレーキフルードは、今回のオイルのB溶解量に比べると非常に高濃度である。)